使いこなす第08章 ・ 読むのにかかる時間 約6分

プロジェクト

仕事ごとの部屋を作る。毎回の説明がいらなくなります

Claudeを使い始めた人が最初に感じる面倒は、毎回同じ説明をしていることです。自分の仕事、会社のこと、文体の好み。プロジェクトという機能を使うと、この説明が要らなくなります。仕事ごとの「部屋」を作る章です。

この章でできるようになること

  • プロジェクト(仕事ごとの部屋)を作って、会話を整理する
  • 部屋に「指示」と「資料」を置いて、毎回の説明をなくす
  • 自分の定番業務の部屋をひとつ完成させる

プロジェクトは「仕事部屋」です

プロジェクトとは、関連する会話をまとめて入れておける部屋です。ただのフォルダ分けと違うのは、部屋ごとに指示資料を置いておけることです。

  • 指示 … その部屋でのClaudeへの常設のお願い。「うちは従業員8人の工務店。文章は丁寧だが堅すぎない調子で」など
  • 資料 … その部屋でいつも参照してほしいファイル。会社案内、料金表、過去の文例など

部屋の中で始めた会話には、この指示と資料が最初から効いています。つまり、第03章の3点セットのうち「背景」と「条件」を、部屋に作り付けにしておけるということです。毎回書くのは「お願い」だけになります。

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プロジェクトのしくみ 部屋に指示と資料が備え付けられていて、その中の会話すべてに効きます。会話1、会話2、会話3のどれにも同じ前提が届いている図です。 プロジェクト「メルマガ作成」の部屋 指示(常設のお願い) 会社・読者層・文体の前提 資料(いつも参照) 過去号・商品リスト 会話1:今月の特集号 会話2:セールの告知 会話3:来月の構成案 どの会話にも、左の指示と 資料が最初から効いています
部屋を一度作れば、その中の会話は全部この前提つきで始まります。

どんな部屋を作るといいか

コツは、繰り返す仕事ごとに作ることです。「会社全般」のような大きな部屋より、用途の絞れた部屋のほうが効きます。

  • メルマガ・ブログ・SNSなど、定期的に書くもの
  • 議事録の整理(録音の文字起こしを渡して要点化する部屋)
  • お客さま対応(よくある問い合わせと返信の型を資料に置く)
  • 企画の壁打ち(自社の状況を指示に書いておく)

実践:定番業務の部屋をひとつ作る

作り方は、サイドバーの「プロジェクト」から新規作成を選び、名前をつけて、指示の欄を埋めるだけです。指示文はゼロから書かず、Claude本人に作らせましょう。まず普通のチャットでこう頼みます。

やってみよう① 指示文の下書きを作らせます

Claudeのプロジェクト機能に設定する「指示」の文章を作ってください。用途は「お客さまへのメール返信を作る部屋」です。 前提は次の通りです。 ・私は住宅リフォーム会社の事務担当 ・相手は一般のお客さま(専門用語は避ける) ・文体は丁寧で、あたたかみのある調子。ただし過剰にへりくだらない ・返信には必ず、お礼→本題→次のご案内、の順番を守らせたい この前提が伝わる指示文を、そのまま貼り付けられる形で書いてください。

「住宅リフォーム会社」のところを自分の仕事に置き換えれば、あなた用の指示文になります。出てきた文章をプロジェクトの指示欄に貼り付けて、あれば料金表や過去の文例もファイルとして部屋に追加してください。

やってみよう② 部屋の中で試します

お客さまから「見積もりをもらってから1か月経ってしまったが、まだこの金額で頼めるか」という問い合わせが来ました。結論は「今月中なら同じ金額で大丈夫」です。返信を作ってください。

背景も文体の指定も書いていないのに、部屋の前提どおりの返信が出てきます。この「短い頼みで意図どおりが出てくる」感覚が、部屋を作った成果です。

よくあるつまずき

プロジェクトの作成ボタンが見つからない
プランや画面の更新によって、置き場所や作れる数が変わることがあります。見つからないときは、Claude本人に「プロジェクトを作りたいので、いまの画面での手順を教えてください」と聞くのが早いです。
指示に書いたのに、守られないことがある
指示が長すぎるか、抽象的すぎる可能性があります。「丁寧に」より「お礼→本題→次のご案内の順で」のように、具体的な形で書き直してください。それでも外れたら、会話の中で感想を伝えて正せば大丈夫です(第04章)。
資料を更新したのに、古い内容で答える
部屋に置いた資料の差し替えを忘れているケースがほとんどです。料金表などの変わるものは、変えた日付をファイル名に入れておくと事故が減ります。

この章のまとめ

プロジェクトは、背景と条件を作り付けにした仕事部屋です。繰り返す仕事の数だけ部屋を作れば、Claudeは「毎回説明が必要な便利ツール」から「うちの事情を分かっている相棒」に変わります。次の章は、この教科書の山場です。会話から、動く作品を作ります。

章末チェックリスト