仕事に組み込む
職種別の使い方
営業・企画・経理・サポート・ひとり社長。明日の仕事に置く
道具は揃いました。この章は実例集です。営業・企画・経理事務・お客さま対応・ひとり社長の5つの立場で、明日そのまま使える場面とコピペ文例を並べます。自分に近いところから読んで、1つでも実際に使ってみてください。
この章でできるようになること
- 自分の職種に近い「定番の使い所」を持ち帰る
- 他の職種の例から、応用の発想を盗む
- 「まず何から組み込むか」を1つ決める
営業:訪問前の30分を5分にする
営業の定番は訪問前の下調べです。相手の会社を調べ、話題を用意し、提案の切り口を考える。あの30分がこうなります。
ウェブ検索を使って、株式会社〇〇(△△県の食品メーカー)について、営業訪問の準備をしてください。 ・会社の概要と、最近のニュースやプレスリリース(出典つき) ・この会社がいま困っていそうなことの仮説を3つ ・私は業務用の包装資材を売っています。仮説それぞれに対する提案の切り口を一言ずつ A4一枚の「訪問前メモ」の形にまとめてください。
ポイントは仮説を出させることです。事実の羅列は読めば分かりますが、「困っていそうなこと」の仮説があると、初回訪問の質問が変わります。仮説はあくまで仮説として、現場で確かめるのはあなたの仕事です。
企画・販促:たたき台を出す係をやめる
企画の仕事でいちばん重いのは、ゼロから1枚目を作る瞬間です。そこをClaudeに渡して、あなたは選んで磨く側に回ります。
私は地域のスポーツジムの販促担当です。1〜2月の閑散期に、既存会員の退会を減らす企画を考えています。 方向性の違う企画案を5つください。それぞれ、狙い・ざっくりの手間・想定される弱点をセットで。奇抜さより、スタッフ2人で回せる現実性を優先してください。 私が2つ選んだら、その2つを詳しく詰めていきます。
最後の一文で「選ぶのは自分」と宣言しているのがコツです。第06章で見た「言われた方向に寄る」クセへの対策として、5案の段階では自分の好みを言わないでおくと、幅が出ます。
経理・事務:手順を文書にする係になる
事務仕事には「自分しかやり方を知らない業務」が溜まりがちです。頭の中の手順を口で説明して、手順書はClaudeに書かせる。第10章でやった流れは、引き継ぎ資料づくりにそのまま使えます。
月末の請求書発行業務の引き継ぎ資料を作ります。私がやり方を口頭で説明するので、あなたが手順書に清書してください。 やり方:販売管理ソフトから当月の売上一覧を出して、締め日が20日の取引先だけ抜き出す。金額が先月から2割以上変わっている取引先は、担当営業に確認してから発行する。発行したPDFは共有フォルダの「請求書」に年月のフォルダを作って保存。控えを経理の山田さんにメールで送る。 まず、この説明で曖昧な点や抜けていそうな点を質問してください。答えたら、新人がひとりで実行できる手順書に仕上げてください。
お客さま対応:返信の質とスピードを両立する
第08章で作った「お客さま対応の部屋」の実戦投入です。よくある問い合わせほど、部屋+型で効きます。もうひとつの定番が、問い合わせ記録からのFAQづくりです。
この1か月の問い合わせ記録を渡します。個人情報は伏せてあります。 ・内容の近いものをグループにまとめて、件数の多い順に並べてください ・上位5グループについて、そのままサイトに載せられるFAQ(質問と答え)の下書きを作ってください ・「そもそも問い合わせが来ないようにする改善案」があれば、グループごとに添えてください
3つ目の項目が効きます。返信を速くするだけでなく、問い合わせ自体を減らす視点まで出てくるのが、まとめて渡すことの価値です。
ひとり社長・フリーランス:「一人分の壁」を越える
ひとりで全部やっている人は、この教科書の内容が全部自分ごとだったはずです。おすすめは、苦手な役割の部屋を作ることです。経理が苦手なら経理部屋、営業文が苦手なら営業部屋。それぞれの部屋の指示に「私はこの分野が苦手なので、専門用語を使わず、判断基準から教えてください」と書いておきます。すると各部屋が、その分野の頼れる社員になります。
今週の仕事のふりかえりに付き合ってください。私が今週やったこと・売上・気になっていることを書き出します。 あなたの役割: ・数字の変化で、私が見落としていそうな点を指摘する ・「気になっていること」を、今すぐ動くべきこと/様子見でいいことに仕分ける ・来週やることを3つまでに絞るのを手伝う(3つを超えたら削る側に立ってください) では始めます。今週やったこと:(ここに書く)
共通のコツ:小さくひとつ、業務に固定する
実例を眺めて終わると、1週間後には元の仕事のやり方に戻っています。おすすめは、ひとつの業務だけ「必ずClaudeを通す」と決めることです。毎週の報告書でも、訪問前メモでもいい。ひとつ固定すると使う習慣が残り、習慣が残れば2つ目は勝手に増えていきます。第07章で作った仕分け表から、いちばん頻度の高い仕事を選んでください。
章末チェックリスト
仕事に入りました。最終章は、その先の「任せる」働き方です。